2024/12/15

12/15 店日誌

12月15日、日曜日。夕食後、なんとなく選んだのが、アキ・カウリスマキ監督作品『パラダイスの夕暮れ』。80分未満の短い尺に惹かれて見始めると、これが大正解。ウイリアム・エグルストン、スティーブン・ショアらのニューカラー派のような色彩と構図。ピアノ・ジャズ、ブルース、ペナペナした音のロックバラードを主にした選曲。役者の顔、街並み、乾いた空気。ぜんぶ好きだった。居間で、大きめのiPadで観るのにちょうどいい。

それまでの映画のスクリーンではなかなか見ることのできなかった人々といえるかもしれない。ヒーローやスターのいない映画。「敗者達も愛を必要としていること、そして人間性、尊厳、プライドについての映画」とアキは説明している。(宮嶋直美)

遠山純夫(編)『アキ・カウリスマキ』を引っ張り出して、納得。主役を演じる役者が『パターソン』のアダム・ドライバーに見えてくる理由もわかった。宮嶋直美さんの解説によれば「ジム・ジャームッシュは本作を「最も美しい映画の一本」と絶賛」とある。なるほど。着る服や歩き方なんかを参考にしたのかな。『パラダイスの夕暮れ』では、主人公の孤独を伴いながらの暮らしぶり、街や他者との距離感がうまく描かれていた。

1日1本か、それに近いペースで少しずつ観ていければいい。なんとなく劇場から遠ざかってしまった今、映画との付き合い方を見つけられた気がする。ひとまずカウリスマキ作品を追っていく。

某所から届いた3箱(これが超強力!)、他にもポツポツと本の持ち込みがあり古本の動きが活発になってきた。会計後に「よいお年を〜」と言われることも増えてきて、年末が近づいてきているのを実感する(ハァ、なにかとめんどくさい季節だな……)。

今日明日の営業は13時から19時まで。オンライン・ストア〈平凡〉にも入荷あり。

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