2024/07/04

『神様のいる街』

本に戦争が染みついていた。そこに時間が流れていた。本の中の時間が右手と左手からステレオで伝わってくる。ざらざらした紙に触れることは、そのまま時間に触れることで、古本を買うということ──手に入れるというのは、こういうことなのだと、ようやく理解しつつあった。

吉田篤弘『神様のいる街』が届きました。
初入荷は2018年4月、そこからちょこちょこと仕入れては売ってきたけれど、いま改めて紹介したい。手のひらに収めやすいちょうどいい判型で、125ページほどの小さな本。神戸と神保町、「神」の一字をふくむ街で過ごした日々をつづった自伝的エッセイ集。清冽な文体で、するする読めてしまう。

販売価格は1760円(税込)。オンライン・ストア〈平凡〉でも販売します。

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