2024/01/04

河野友花が2023年を振り返る

星壁蝨(だに)のくっついた巨きな耳を
足の上にのっけて
宇宙は眠る。
―― マヤコフスキー『ズボンをはいた雲』

 2023年も、見たい映画を見逃し、行きたかった展覧会には行けず、読みたい本も全部は読めなかった。手にしたものより逃したあれこれにこそ、2023年の私が表れているのではないか?などと牽強付会、「2023年逃したリスト(全方位)」を作成してみたけれど、行間からいかんともしがたい悲しみが立ち上り……断念。
 スピード感が増す日常で逃し逃してゆく、それでも読んだ、行って観た、順位なんてつけられるわけもない、2023年の私を支え、形作った11冊、11本。

 

【本】;軽い順 ※キッチンスケールで測定

  1. マヤコフスキー/小笠原豊樹訳『ズボンをはいた雲』(土曜社)83g
  2. 岡田温司『キリストと性 西洋芸術の想像力と多様性』(岩波新書)158g 
  3. 有吉佐和子『女二人のニューギニア』(河出文庫)159g 
  4. 本の雑誌 2023年9月号「特集 平凡社は本当に平凡なのか?」192g 
  5. 虫明亜呂無『むしろ幻想が明快なのである』(ちくま文庫)219g 
  6. 岡田茉莉子『女優 岡田茉莉子』(文春文庫)305g
  7. SPECTATOR vol.50「自己啓発のひみつ」340g 
  8. 利重剛『街の声を聴きに』(角川書店)343g
  9. 新潮 2024年1月号(「発掘 井伏鱒二『三十男Q・Dの告白』『小さな町』」収録)366g
  10. ヴィヴ・アルバーティン/川田倫代訳『服 服 服、音楽 音楽 音楽、ボーイズ ボーイズ ボーイズ』(河出書房新社)516g
  11. 宮島未奈『七瀬は天下を取りに行く』(新潮社)※Kさんが借してくれたため、重さ不明  

【映画】;短い順 

  1. 幸洋子監督『ミニミニポッケの大きな庭で』7分
  2. フレッド・ニューメイヤー、サム・テイラー監督『ロイドの要心無用』67分
  3. ピエール・エテックス監督『YOYO』95分
  4. ケリー・ライカート監督『ショーイング・アップ』106分
  5. ジャファル・パナヒ監督『熊は、いない』107分
  6. リチャード・リンクレイター監督『バーナデット ママは行方不明』108分
  7. ポール・シュレイダー監督『カード・カウンター』112分
  8. フランソワ・オゾン監督『すべてうまくいきますように』113分
  9. ロルフ・デ・ヒーア監督『悪い子バビー』114分
  10. ジェームズ・グレイ監督『アルマゲドン・タイム』115分
  11. スティーブン・スピルバーグ監督『フェイブルマンズ』151分


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