2023/06/30

6/30 店日誌

6月30日、金曜日。店の真裏の駐車場を使えるのは今日まで。自分たちが入った頃(2012年末)は朽ちかけたアパートが建っていて、数ヶ月して壊された。店が始まったばかりの頃、デカい音で工事をしていたことを覚えている。それから9年は今の状態が保たれていたのだから恵まれていた。

明日からはちょっと離れた場所を使っていくことになる。正直に書けば不便だし、不安もある。でもこの事態が起きてから、隣店の店主たちと話すようになった。物事にはいい面わるい面が混在している。必要以上に悲観せず、やっていけたらいい。

昨日は久しぶりに顔を見る方が何組か来た。近所に住む方が大病後はじめて海外(ハワイに!)に行けたとのことで、お土産を持ってきてくれ、言葉を交わした。見るからに元気になっていて嬉しくなる。

7月は変則休業、営業予定あり。改めてお知らせします。

2023/06/29

星谷ビル駐車場案内

6月なのに、なんとも暑い! 明後日、7月1日(土)から当店も入居している〈星谷ビル〉の駐車場の場所が変わります。現在、多くの方に使ってもらっている店の真裏の砂利駐車場から東大通りを渡ってちょっと歩いた場所にあるアパート〈アルファインタカノ〉の駐車場に。信号待ちを加えて、歩いて5分ほど。やや不便になりますがご協力をお願いします。

今日から、店頭で「星谷ビル駐車場案内」を配布しています。

※注意! 駐車場ご利用の際は、住民の方々のご迷惑にならないようご協力ください。ラジオなどの車内音量は小さめに。大きな声で話さない。停めたら、早めに移動する。などなど。

6/29 店日誌

6月29日、木曜日。昨夜、店を閉めて自転車に乗ったのが19時55分。筑波大学を抜けて家に帰るまで、空が光りっぱなし。花火か? と感じるが、それにしては光るペースが早すぎる。どこかで雷が鳴っている。帰宅した20時過ぎにゴロゴロ……と音が轟き始めたらあっという間に暴風暴雨。家の中に雨風が吹き込む。数十分間、嵐のようだった。

営業中にWi-Fi環境がないと時間がゆっくり、しずかに過ぎていく。入荷したての『小柳帝のバビロンノート 映画についての覚書4』を読み、気になったところをメモする。昨年11月に届いていた『バビロン編集ノート』も併読。昨年、2022年に女性映画監督の重要作がいくつも公開されていたとは知らなかった。

その感想、印象をツイートすると小柳帝さんと編集の福岡さんがリツイートしてくれて、オンライン・ストア〈平凡〉で購入してくれる方もいた。手応えあり。

今日明日は15時開店。日中は暑いので、夕方以降にお出かけください。

2023/06/28

6/28 店日誌

6月28日、水曜日。汗だくで店に着き、Tシャツを着替えてまずは昼寝。物音で目が覚めて動き出す。郵便物とメールのチェック。必要に応じて記入か返信、ブログの誤字などを修正する。古本の写真を撮影、ツイッターに上げる準備を終えてひと息つく。この時点ではまだ頭がぼーっとしている。

天気に心配がなければ店前のベンチに均一価格の本を並べていく。一箱ずつ本を入れ替えたり、並べる順番を変えるなど工夫する。それが終わって、またひと息。読み途中の本を読むかSNSを見るかする。この間にお客さんが来ると、うまく対応できないことが多い。

開店する時間帯は、大体いつもこんな感じ。昨日は若い知人がはやい時間にビールを1本持って、本を買いにきた。ささっと帰っていったので、その後は『花森安治装釘集成』のページを繰って、読みふけった。

今日も古本に入荷あり。音源にも動きがあるので、要注目。

2023/06/27

Today’s YouTube #445

“オリジナルのダブマスターでありラヴァーズ ロックの王、デニス ボヴェルは、マーシャ グリフィスとデズモンド デッカーの最新リリース 2 枚を含む、トロイの木馬のエッセンシャル アーティスト コレクションを宣伝するために、非常に特別な DJ セットをレコーディングしました。”https://www.youtube.com/watch?v=sqRUhcs1Wf8

6/27 店日誌

6月27日、火曜日。先週末は湿度が高く暑かったが、店の冷房をつけずにいた。出入り口を開けたまま扇風機を付けておけば、不快ではない。少しムワッとするくらい。人によっては暑そうだったが、大半のお客さんは気にせずに店にいた。何かしらを買っていく人も多くいて、気が楽だった。

前日に〈水戸芸術館〉で開催されていたテリー・ライリーのコンサート帰りに寄ってくれたのは、鎌倉の淳平さん御一行。六本木で〈Super Deluxe〉を営んでいたデイヴィッドさんとのやり取りに心が暖まった。同じタイミングで顔を出してくれた馴染みのMさんにいまどきの古着屋事情を聞いて、買物と収集の差異について考える。

もう一組、水戸での公演を観たあとに来てくれた方々がいて、もらったばかりのパンを分けた。旅行を批評するミニコミをつくっていると聞き、興味が沸く。

陽が落ちて、力を抜いたところに現れた女性二人組。すぐには誰か分からなかったけど、よく見ると、ひとりはDJ AYU−CHAN−CHIN。開放的で会話が楽しい(Air podsを初体験してマジで驚いた)。同時に来た出禁の男・テンペイさんとも時間をかけて言葉を交わした。来週には愛知県に転勤するらしい。どこかでまた、会うのだろうか。

6月の終わりも見えてきた。いよいよ、夏がくるぞ。

2023/06/26

6/26 雑記

7月7日(金)からはじまる、Jun Yabuki Drawing Exhibition「BOTTLE TREE」関連企画の打ち合わせのため、〈July Tree〉に行ってきた。つくばから電車に乗って秋葉原、JRに乗り換えて渋谷で降りる。井の頭線に乗って一駅、神泉で下車。青葉台4丁目の住所を手がかりに歩いていくと閑静な街区にギャラリーを見つける。

会場運営のお三方、忍田さん、薮下さん、富田さんと会っていると時間を忘れる。話すのは、主に薮下さん。合間にちょうどよく富田さんの声がまざってくるのが心地よい。どうすれば、展示作品を買ってもらえるのか。そのためのアイデアを出していく。同時に音楽や映画、雑誌なんかの文化的雑談も同時に話されるから、それは楽しい。

あっという間の1時間超。展示の打ち合わせのため高野寛さん夫妻が来て、紹介してもらう。仕立て屋のサーカスの会場でお見かけしていて、伝えたかったことがあり、話してみると喜んでくれる。柔らかで好奇心旺盛なお二人だった。

帰宅後すぐにシャワーを浴びて、ほっとひと息。ゴンチチのラジオから流れてくるのはドゥーピーズ。ちょうど今日、薮下さんからヤン富田さんに関するお話を聞いていた。必然性のある偶然とはこのことか。

2023/06/25

『幻の名盤解放歌集帖:藤本卓也編』

藤本卓也の歌と気軽なデートなどできない。軽く食事して一夜のアバンチュール、などということは考えるだけおろかである。

円盤のレコブック『幻の名盤解放歌集帖:藤本卓也編』が届きました。
田口史人の独自芸・レコード寄席を書籍化する「円盤のレコブック」の最新作にして番外編、湯浅学による「幻の名盤解放歌集帖」の藤本卓也編。これが、冒頭からとんでもない熱量で字をなかなか吸い込めない。上記した一節につづく部分の激しさ、濃厚な描写といったら……もう! とてつもない。

全体の7割ほどを湯浅学によるテキストで構成し、補足的なレコード紹介、本書の生まれたきっかけを田口史人が解説した大充実の一冊です。

販売価格は1100円(税込)。併せてレコブック・シリーズ既刊も再入荷、ぜひ手にしてほしい。

6/25 店日誌

6月25日、日曜日。昨日の夕方、コンビニから店にもどるとautomatic(自動式)のふたりがいて驚いた。その数時間前にアーティスト写真を見てひょえー凄いねえと唸っていたところ。店に来ると時間をかけて本を選んで、しっかり買っていく。やり取りも爽やかで気持ちがいい。どこかでまたライブが観たい。

モドキプロことイカミくんが手製ソフビ「じゃんけんポンズ」と「塗り絵シート」を持ってきて、セキグチ夫妻が軽やかに現れた。東京からきた家族に大盛軒を薦めたけれど、どうだったかな(19時頃に通りかかったら大行列……あれは嫌だ)。

夜に観た、フーテン族というバンドがカッコ良かった! ろくようびは、ギターリフが暴れ回る曲が印象深い。ノー・ニューヨークって言葉が頭に浮かんだ。

最近、オンライン・ストア〈平凡〉の動きが少ない。面白い本など、揃っているのだが……。

2023/06/24

『小柳帝のバビロンノート 映画についての覚書4』

これまでに観てきた作品と違う文法、違和感のある表現といったものを感じるときに、そこには大事なものがある気がします。この『バビロンノート4』は、そんな興味に大いに答えてくれる本ではないでしょうか。–福岡南央子(woolen/woolen press)

小柳帝『小柳帝のバビロンノート 映画についての覚書4』が届きました。
当店の人気シリーズ、約2年半振りの最新作のテーマは「女性映画監督」。「女性映画監督史を俯瞰する」と題された、小柳帝さんの公開講座の模様を記録、加筆して書籍化したもの。ポップで軽やかな佇まいではあれ、内容は大充実。現在進行形の映画講義をじっくりお楽しみください。

販売価格は897円(税込)。資料集的な冊子『バビロン編集ノート』はじめバックナンバーも販売中。

6/24 店日誌

6月24日、土曜日。夏っぽい空気、温度を感じる。ラジオの天気予報によれば関東地方は曇りときどき晴れ、ところによっては夕方以降は雨。最高気温は28度。上着を着たらぜったい暑い。でも、半袖短パン&ビーサンだとちょっと不安だ。この時期の服選びはけっこう大変。みんな、何を基準にしているのだろう。

暇、忙、暇と一日ごとに営業中の雰囲気も異なる。考え過ぎず、状態を整えて、人を待つ。店にいたら出来ることは多くない。

今日は13時から19時までの短縮営業! オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ。

2023/06/23

6/23 店日誌

6月23日、金曜日。雨が弱まった19時半頃、今だ! と店を飛び出すと、ザーッと降ってくる。弱まるどころか、どんどん激しくなっていく。慌ててポンチョをかぶって自転車に乗る。あちこちに大きな水たまり。視界が遮られる上、道ゆく車の運転も危なっかしい。ウインカーを出すのが遅え! など、ヒヤヒヤしながらゆっくり走る。どうにか家に帰りつき、ホッとした。

ポットマンこと隣の店長がつくる音楽がいい塩梅で、なかなか面白い。習作テープを流していると、たまたまいたお客さんが「サーストン・ムーアとマニュエル・ゲッチングが混ざったようだ」と感想を伝えてくれた。

今日も通常営業。在庫確認など、お問い合わせはお気軽に。

2023/06/22

6/22 店日誌

6月22日、木曜日。先週末、久しぶりで〈ブックセンター・キャンパス〉に行き本を数冊買ってきた。まず読んだのは、種村季弘『書物漫遊記』。これがもう、面白いったら、ない! 一編ずつ味わったのち、すぐにもう一周しようかと思う本とはそうそう出会えない。今、読んでいるのは結城昌治『志ん生一代』の上巻。のっけから笑わされっぱなしである。

昨日は、かなり暇な1日だった。売り上げは、周辺の店のことを聞きにきた女性が漫画のセットをひと組買っていったのみ。値段は安い。でも、助かった。中島らもの言う「今日の天使」はあの人だったのかもしれない。

今日明日は15時開店。明後日は営業時間に変更があるかも。

2023/06/21

『inch magazine』issue01&02

『inch magazine』issue01・issue02が再入荷しました。
待望の増刷! ともに品切れになっていたissue01(特集:ストーリーズ)、issue02(特集:ニューヨーク)がそろって再入荷。ありそうでなかったストリート・カルチャー×文芸誌のあり方を軽やかに提案した創刊号、硬軟織り交ぜた構成で読者層をぐっと拡げた感のある第二号、どちらにも雑誌ならではの力が宿っていると思います。

販売価格はそれぞれ1100円(税込)、1320円(税込)。オンライン・ストア〈平凡〉でも販売します。

6/21 店日誌

6月21日、水曜日。7月7日(金)から約3週間、渋谷区神泉にある音楽をテーマにしたギャラリー〈JULY TREE〉で矢吹純の個展「BOTTLE TREE world according to blues」が開催される。たぶん昨年の同時期に開催した〈代官山 蔦屋書店〉以来の展示になる。あらたな場所で矢吹くん作品がどんな風に飾られ、受け取られるのか。期待がつのる。

会期中の7月16日(日)には北沢夏音さん、薮下晃正さんと共に「音楽とイラストレーション」をテーマにしたトークイベントに参加します。時間等の詳細はこれから発表になるようなので、しばしお待ちを。

梅雨の中休みは今日までだとか。都合に合わせてご来店ください。

2023/06/20

6/20 店日誌

6月20日、火曜日。よその街に行って、店を見て人と話すと、自分の店を開けたくなる。日々、あまり考えずにやっていることを見直したり、別の方法があるんじゃないかと試してみたり。本の置き方を変えたり、値段の付け方を見直して、すぐに反応があるとやはり嬉しい。誰にも気が付かれずそのまま日が経つこともある。それはそれで、悪くはない。

店を開けて何年経とうが、絶対唯一の正解は見出せない。今も、本や音源の紹介の仕方が適切かどうか迷いながら書いている。人真似をせず、嘘はつかない。それだけは守ってやっていきたい。

オンライン・ストア〈平凡〉にも手をいれていくので、気が向いたら覗いてほしい! 

2023/06/19

6/19 雑記(栃木探訪記)


朝9時に集合して、千年一日珈琲焙煎所の大坪さんの運転で那須に向かう。目指すは乙女の滝休憩所にある〈Coffee Ontario〉。晴れてはいても暑すぎない、絶好の日和。2時間超のドライブを経て那須に入ると空気が乾いていて心地よい。目に入る緑も深く、鮮やかだ。風が肌をやさしくなでていく。いい季節に来られたことを喜んだ。

休憩所でヴァイオリン奏者の新村さんと合流。オンタリオ店主のなおこさんと挨拶をしてコーヒーをいただく。地元の人、観光客が自然にまざって場をわけあう。店主の目が行きとどく大きさで、居心地がいい。人間味のある店だった。

蕎麦屋での昼食後、〈bullock books〉に向かう。なんとなく頭にあった情報以上に奥まった立地に驚く。山道のような風景で、古い碑や寺もある。せまい道を抜けて着く一軒の家、立派な庭の奥にある小屋が本屋になっている。店主の内田さんに挨拶したのち棚をみる。時間が限られていたから集中して、2冊を選ぶ。開催中の展示案内を渡し、養蜂の説明などを受けて、出発。30分たらずの滞在だったが、収穫あり。おおらかで、安心感があった。

その後、1時間ちょっと車を走らせ鹿沼市に。途中で走った日光例幣使街道が印象に残る。黒川を越えてわき道にそれると商店街に入る。シャッター通りのようでちらほら開いている店もある通りをゆくと「模索する多目的スペース+宿泊」を謳う〈Center〉が見つかる。味のある商業テナントを改装したガレージのようなスペースで、河野さん・田巻さん夫妻が待っていてくれた。

自分の店でも扱っている書籍や音源、小冊子が少し。多くの未知の作品たちが並ぶ棚に目を向けると、止められない。どれも気になる。ご夫妻ふたりの話も刺激的。今日訪ねてきた2店舗とは異なる、確かな野心を感じる。暖かいお茶をのんでから屋上にも案内してもらう。ちょうどいい高さで風が抜ける。クラウドファウンディングで集めた資金でフェンスをつくるらしい。ここでビールがのめたら最高だろうな。ステッカーとチラシなどを交換して、お邪魔した。次はイベントを観に来たい。

***

図らずと、レイモンド・マンゴーがアメリカ全土を旅した見聞録『就職しないで生きるには』を思わせる一日になった。三者三様、それぞれの環境に合わせた場所をつくった人たちと交流して、個人店の面白さに感じ入った。道中の風景にも新鮮な箇所があり、目を見はった。

さて、次はどこ行きましょうかね。大坪さん。

2023/06/18

6/18 店日誌

6月18日、日曜日。いま、数見亮平くんが店にいて、話しながらブログを書いている。まったく集中できない。各地の美術館のこと、小さなギャラリーについての見解に耳を傾けていると、引き込まれる。自分からも話したくなる。ラジオから流れくるのはのど自慢。あ、カラオケバー店主が合格した。連続合格だ。

赤石隆明 個展「Time Files」の会期は今日、6月18日(日)から7月10日(月)まで。作品の質、空間構成ともにハイ・クオリティ。ぜひ見に来てほしい。

今日も書籍、音源に入荷あり! 店前の均一価格のコーナーにも入れ替えあり。

2023/06/17

『ガール・ジン 「フェミニズムする」少女たちの参加メディア』

20世紀末の性差別、人種差別、同性愛恐怖(ホモフォビア)の現れに対し、ガール・ジンは独特の鋭敏で複雑な驚くべき返答を提示している。–アンディ・ゼイスラー

アリスン・ピープマイヤー/野中モモ(訳)『ガール・ジン』が届きました。
アンディ・ゼイスラーの序文によると女性たちがつくるガール・ジンの主題は「ボディ・イメージ、セクシュアリティ、怒り」や「ほかの女の子の人生にとって自分が重要であるように感じること、きちんと要約できるようなやりかたとは別なかたちで自由になりたいと願うこと」。

なぜ、ジンでなければいけないのか? ジンはどのようにして、他のメディアでは不可能な表現を可能にするのか? そこにはどんな目的がある? そんな問いかけに関心がある人にも読んでみてほしい、力作です。

販売価格は3850円(税込)。オンライン・ストア〈平凡〉でも販売します。

6/17 店日誌

6月17日、土曜日。ふらりと入ってきた若者二人。中古CDやレコードを触りながらひそひそ、あれこれ話してる。興味を示しているのはジェームス・イハ、ソニック・ユース、トータスあたり。ふーんと聞き流しながらいざ会計、持ってきたのはイタリアの公共放送「RAI」の音源を集めたコンピーレション。「シブいね〜」と声をかけると「こういうのが好きで……」と話し始めて友人が勤めるレーベルでインターン中であると知る。

アフリカン・ヘッドチャージ、カッサ・オーヴァーオールの来日公演、クイーンズ・オブ・ストーンズエイジの新作のポスターを預かったので、ガラス面のならびを一新する。

その後、若者たち五、六人がぞろそろ来る。まず入ってきた男性に「ちょっと多いね〜」と言うと「あ、すみません!」となり二人だけ入ってきて本を見る。びしっと一冊選んで買ったのは『JAZZ NEW CHAPTER』。話しかけるとロバート・グラスパー等々が好きらしい。ステッカーなどおまけを付けて送りだす。

不安定な天候ながら、客足は少なくない(多くもない)。まあ、こんな感じでのんびりやっていければいい。音楽や本の話ができると、やっぱり楽しい。

今日明日は13時開店。今夜は展示「Time Files」の設営がある。

2023/06/16

6/16 店日誌

6月16日、金曜日。ここのところ、ZINEの持ち込みが増えている。内容や価格設定が腑に落ちれば、少部数預かることがある。何でもいいわけじゃないが、すぐれたものだけを扱っていてもつまらない(これが難しい)。店で扱うかは別として、個人的にはどんどん作ればいいと思っている。ZINEなんだから。着想を得たら時間をかけずに形にした方がいい。

ホメること。───堂々とホメながらダラシなく見えないというのは大変なことで、批評とはいかにうまくホメるかという技術だという名言は、放送批評の場合にも変るまい。(*1)

小林信彦『道化師のためのレッスン』を読んでいて、うなった。ホメる批評。批判と批評は異なるものだから、辛辣な意見を伝えるだけが批評ではないと理解している。でも、褒めながら批評するのは難しい。

安易に褒めるのは簡単なんだけど、ちゃんとわかってて、きちんと褒めるというのは大変です。だけど、本当はそれがないと才能は伸びないし、まずいんですよね。大袈裟にいうと、文化というもののあり方に影響します。(*2)

若ければいい。でも、若いだけでは褒められない。その塩梅を見極められないまま、自分も年をとっていく。個人的な視線、新鮮な発想が感じられれば嬉しくなる。他者の行動、思想の剽窃に触れると哀しくなる。こればっかりは年齢は関係ない。独自のアイデアを具現できる人が多くないのはわかっている。

今日も書籍、音源に入荷予定あり。お暇があればお運びください。

(*1)「俗流〈放送批評〉を斬る」より(p317)

(*2)「流行と不易」より(p118)

6/15 店日誌

6月15日、木曜日。昼寝を終えて、14時38分から書き始めたこの日誌、14時44分の今現在まで何も書けていない。書き散らしたものを消して、直して、書き足していたけどしっくりこなくて消してしまった。何を書くべきかまったく浮かばない。もう2~3行は足したいところ。今は14時51分。

当店企画の赤石隆明 個展「Time Files」の会期は今週末、6月18日(日)から7月10日(月)まで。明後日の搬入/設営には数見亮平も来るらしい。ここまできて14時55分。ああもう開店しなければ……。

今日明日は15時開店! お暇があればご来店あれー!

2023/06/14

齋藤祐平個展「その都度の呼び名で」

齋藤祐平個展「その都度の呼び名で」
会期 6月3日(土)〜24日(土) 11時〜17時(金土日月のみオープン)
会場 Void(兵庫県加西市北条町北条142-9 3F)

6/14 店日誌

6月14日、水曜日。ザーッと降ってやむ。ぱらぱらっと舞って、やむ。梅雨っぽい湿度と天気で身体が重い。深夜に目が覚めたまま寝つけなかったこともある。どよーん。じめー。って感じの気分である。でもまあ不平ばかり言っていても仕方ない。ind_fris『stained』でも聴こう。ちょっとだけでも前向きに、機嫌よく過ごしたい。

今日も、オンライン・ストア〈平凡〉に入荷あり。気軽に覗いてみてほしい。

2023/06/13

『stained』(TAPE)

ind_fris『stained』が届きました。
今、いちばん聴いている音源! 湿度が高くて不快なこの時期、言葉の多い音楽は聴きたくね〜って時に流すとばっちりハマる。音数は多くなくとも確かなグルーヴがあって、音の波に身を委ねていると力が抜ける。凪のようなパートからぐっと転調する箇所は何度聴いても、グッとくる。気持ちのいい音楽(ディープ・リラックス)を探している人に薦めたい。

当店とも縁深いCHIYORI & YAMAAN(千世利と山庵)と小林勝行による俳句。UG Noodle「ある朝の証言–酒場の芸人論」、光永惇「エッセイ」が印刷されたジャケット裏面も、お見逃しなく。

販売価格は1650円(税込)。兵庫県加西市のギャラリー〈Void〉からのリリース。

6/13 店日誌

6月13日、火曜日。雨が降らず、太陽がでると暑い! そろそろ、アロハシャツの出番かな。コンビニやドラッグストアで目に入る、新種のビールにそそられる。ここ最近でいちばん美味かったのはオリオンビールの限定醸造(NAGO BEER)・クラフトラガー。見つけるとつい買ってしまう。

円盤のレコブックがやっぱり面白い! 「沖縄はレコの島」「日本とタンゴ」は店頭、平凡ともにいったん品切れ! 「ムードコーラス血風録」は販売中。来週には新作と旧作の補充便が届く予定。

今日も書籍、音源に入荷あり! 些細なことでも、お問い合わせはお気軽に。

2023/06/12

6/12 雑記

昼食にはいった店のメニューに「生ビール(中瓶) 500円」とある。こりゃなにかズレてるな〜と注文すると、「スーパードライ」の「小瓶」が出てきてズッコケた。「瓶」以外はハズレだったが、連れがぐびっと飲み干した。一応、冷えたビールは出てきたわけで、悪くはない。

2023/06/11

6/11 店日誌

6月11日、日曜日。開店前に歩いて買い物にいく。新しくできた郵便局のATMは日曜休み! あんだよ雨のなか来たのにヨー! と一瞬怒って、すぐ歩き出すと雨は小雨に。スーパーで買い物を済ませて、大学内の郵便局に寄り、入金と預金。〈千年一日珈琲焙煎所〉に顔を出すと近所のアナキストKさんも来て、チラシを受け取る。些細なことでもまっすぐに話してくれるから、つい引き込まれる。こういう人がいて嬉しい。

昨日は〈平凡〉のお客さんが遠方から来てくれた。手製の日記冊子を預かり、話を聞いた。このブログも読んでいるらしい。また、どこかで会えたらいいな。

今日は13時から19時までの営業予定。お暇ならばご来店を。

2023/06/10

6/10 店日誌

6月10日、土曜日。このブログから〈平凡〉に入って、本を買ってくれた人がいる。ツイッターのリンクから店を見つけて面白がってくれる人もいる。実店舗はもちろん、オンライン・ストアも気の向くまま、自由に楽しんでいく。素敵っぽいものが素敵なまま置かれている状況は避けたい。そのためであれば、労を惜しむつもりはない。

無難なものより、驚きを!ほっこりするより、鳥肌を!誰もが認めるセンスの良さよりも、空回りするぐらいの空気の読めなさを!

と、平凡店主が日誌に書いていた。自分もほぼ全く同じ気持ちだ。でも、本当のセンスの良さって誰にも認められないものじゃないか。少し経ってから追いついた人に翻訳されて多くの人に伝わっていく。センスってのは抽象的かつ感覚的なもの。やっかいだから興味深い。

日々、店には動きあり。何かを見つけてくれたら、嬉しいです。

2023/06/09

6/9 店日誌

6月9日、金曜日。若い友人のソウタくんが持ってきてくれた『ブラジル・クラシックス3(コンパイルド・バイ・デヴィッド・バーン)』がすごく良い。日本盤に封入された中村とうようの解説には「ブラジル北東部の魅力的な音楽をバーンと一緒に楽しもう」とある。活発な動きを伴う民俗舞踏、フォホーをテーマに編まれたコンピレーション。流していると身体が動き出す。

オンライン・ストア〈平凡〉に毎日、何かしらを追加している。新刊や新譜はもちろん、古本や中古音源も増やしていこうと思っている。今日は何が入ったかなーって感じで気軽にのぞいてみてほしい。

梅雨空だけれど元気に営業中! 些細なことでもお問い合わせはお気軽!

「象鯨彫刻家具展」

木彫作家が制作する「使える彫刻」。搬出困難な山中から引き取った樹木や倒木に作品としての新たな余生を吹き込みます。

「象鯨彫刻家具展」
会期 5月11日(木)〜7月3日(月) 10時〜18時 ※火曜・水曜休
会場 千年一日珈琲焙煎所(茨城県つくば市天久保3-13-3高野テナント105)

6/8 店日誌

6月8日、木曜日。芦沢一洋『原野を楽しむ』に入った短文「散歩の楽しみを教えてくれた本」を読んで、ちいさく驚いた。自分と同じことを感じている人がいる。書き出しはこうだ。「歩くとはどういうことか、私はそれを三人の男から教えられた気がする」。そのうちの一人、ヘンリー・デヴィッド・ソローに学んだことを著者がしるした部分を以下に引く。

とにかく、目的や時間といった、縛りつけてくるものから自分を解放して、ただ歩く。心に浮かぶ出来事をただ反芻しながら、楽しんで歩く。それこそが散歩なのだと、私は納得した。

そう! ひとときの安息にひたるために自分は歩く。消費カロリーだの移動距離、歩数など関係ない。イヤフォンはもちろん音楽もいらない。脳内で自動再生されるメロディ、言葉を繰り返しながら歩を進めるのが楽しいのだ。散歩のときくらい、数値化から自由でありたい。

目的がなければ歩けない、というのでは、あまりにも淋しい。大勢でなければ歩けないのは、もっともっと淋しい。

大勢で歩くのは苦痛でしかない。自分のペースで、行きたい道をゆく。それが心身の栄養になる。ひとりで、好きなように、静かな道を歩ければいい。

今日も書籍に入荷あり。オンライン・ストア〈平凡〉にも動きあり。

2023/06/07

「遊び場」vol.2

「遊び場」vol.2
日時 6月24日(土)18時開場/18時半開演
料金    前売2500円/当日3000円(要ドリンクオーダー)
出演 Cwando,フーテン族,ろくようび,PROCYON
会場 LIVE HOUSE FROG(茨城県つくば市天久保1−6−7B1)

6/7 店日誌

6月7日、水曜日。夜にザーッときた雨がやんで、朝はさわやか。日中は……もう暑い。開店前に近所の〈古着屋may〉に行って開襟シャツを買ってきた。紺の単色に刺繍のはいったシブいやつ。レジ前にあった涼やかな色のバンダナと一緒に受け取り、いい気分。細矢さんとのやり取りは気持ちがいい。

今日もまた古本が入荷予定! ここのところ、郵送買取が増えている。これまで買い取らなかったたぐいの本やレコードも。箱を開けて査定がてら触っていると時間を忘れる。

今日明日、明後日は15時開店。ご都合に合わせてご来店あれ。

2023/06/06

6/6 店日誌

6月6日、火曜日。不安定な空模様に気を取られていると、あっという間に日が過ぎていく。気持ちのいい季節はすぐに終わって梅雨になり夏がくる。まだ朝はすずしい。昼間も冷房なしで過ごせる。この隙間の時期こそ大事したい。やらずにいた小さなことに手をつけよう。

ながらく品切れていた、土井政司『ほんまのきもち』が再入荷! 先月あたりから古本や中古音源の入荷も増えてきて、なかなか紹介が追いつかない……が、店にはたんまりものがある! そう思って来てほしい。

オンライン・ストア〈平凡〉にも入荷あり。ご来店、ご購入はお気軽に。

2023/06/05

6/5 雑記

たまたま入った書店で、北園克衛の詩集を見つけた。川沿いで弁当を食べたあと、揺れながら走るローカル線に乗って居眠りをした。速度に情緒はともなわない。今日、何度か乗り物を換えて、そんな言葉が頭に浮かんだ。

2023/06/04

「ALWAYTH:PIGEON」(NEW COLOR)

My Loads Are Light「ALWAYTH:PIGEON」が届きました。
Denise Car Serviceとの共作「V.S.Z.S」「Hiking Foot」につづく久しぶりの新作はALWAYTHとの「PIGEON」の新色ブロードリーフ。あざやかな緑、やわらかく足を包む長さが嬉しい。履けばわかる気持ちよさ。是非体感してほしい。

販売価格は2420円(税込)。オンライン・ストア〈平凡〉でも販売します。

6/4 店日誌

6月4日、日曜日。雨上がりの朝、空気がきれいで気持ちがいい。今日みたいな週末は近所の喫茶店まで歩いて朝食、コーヒー。ちょうどよく流れる音楽を耳にいれながら本を読む。そんな風に過ごせたらいいのだけれど。昨年末に行った高松、朝の散歩で通りがかった喫茶店に入ってみると、モーニングが500円。テレビの音を聞きながら、スポーツ新聞。あれはいい時間だったな。

大嶋宏和のマンガをはじめて読んだ。同じタイミングで別々に買い取った『THIS TOWN』と『LONG VACATION』。コマ運びが映画っぽい。とくに後者の展開にはぐいと掴まれ驚かされた。

今日も13時から19時までの通常営業。ご来店はお気軽に。

2023/06/03

『no title』

HARASAKI『no title』が届きました。
近所の大学生ハラサキくんの作品集は、エグ味のあるドローイングを中心に写真のコピー、コラージュなどで構成された32ページ。クリアファイルを使った表紙(?)の質感がカッコいいです。印刷、製本は天久保一丁目〈えんすい舎〉。

販売価格は2200円(税込)。50冊制作して、残りは30冊弱とのこと。

『YURUYURU TRIP』(CD-R)

DJ TOMO『YURUYURU TRIP』が届きました。
俺たちの先輩! DJ TOMOさんのMIX CD。ジャズ、ワールドっぽい軽やかな導入からダウンテンポ~メロウなビートをキープする展開に身を任せていると、だんだん地に足がつかない感覚に。ちょっとだけ潜ってみたり、水面に浮かんでみたり。ゆる〜く泳いでいく感じが心地いい80分弱。

販売価格は1000円(税込)。天久保一丁目〈Good Near Records〉からのリリース。

6/3 店日誌

6月3日、土曜日。昨日の雨風、湿度には参ってしまった。店のなかもじっとり湿っているようで居心地がわるい。入り口はビショビショ。さすがに本は濡らさないよう気を使ったが、紙質によっては湿気で表紙がびろんとめくれてくる。そんな状態を目にしたまま店にいても気が詰まるから、17時過ぎに閉めて帰宅した。

「ぼくは日本のインテリ特有のdead-seriousな鈍さ、権威主義、もっともらしさ……そういうものに抵抗する、ささやかな砦を作りたいのです。」(「男たちの輪」)

持って帰った、小林信彦『四重奏(カルテット)』を読みだすと止まらない。1971年から2009年までに発表された中編4つを組み合わせた作品集。「夙川事件 -谷崎潤一郎余聞-」以外は既読だったが、再読ゆえの発見も多い。「男たちの輪」に登場する細谷のモデルが誰かを確信し、複雑な感情が芽生えた(誰かとこの話をしたい……)。

雨も上がって、通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉もご利用ください。

2023/06/02

6/2 店日誌

6月2日、金曜日。プリンス・バスター、ブルース・バスターズ、バイロン・リー、ハンバート・ハンバート、クール・ワイズマン……などなど。7インチとLPレコードをまとめて買い取った。突然の話で戸惑いもあったが、勉強の機会としては有り難い。まずは一つずつ針を落としていく。これらを店に出すのがいつになるのか、明言はできない。

上記した以外にも、ジャズものを中心に中古レコードの入荷多数。日々、ちょこちょこ値付けしてレコ箱に追加しているので気楽に漁ってみてほしい。

雨風の具合によっては早じまいもあり得ます。みなさまもお気をつけて。

2023/06/01

赤石隆明 個展「Time Files」

赤石隆明 個展「Time Files」
会期 6月18日(日)〜7月10日(月) 11時〜18時 ※火・水曜休
会場 千年一日珈琲焙煎所 CAFE(茨城県つくば市天久保3-21-3星谷ビル1-F/G)

6/1 店日誌

6月1日、木曜日。ポストをのぞくと「令和5年10月インボイス制度スタート!」と印刷された封筒が入っていて、ゲっとなる。新刊案内の冊子、封書はサッと見て気になるもの以外は捨てていく。「個人書店のみなさま」なんて挨拶が入っていると読む気が失せる。いい加減にしてほしい。本屋に夢をたくして語る気風が好きじゃないのだ。俺は。

買取依頼の本が3箱、今月中旬にはじまる展示のDMなどが次々に届いて、整理が追いつかない。やけっぱちでラリー・レヴァンのミックスを流していると、DJトモさんがやって来る。手製のZINEを持ってくる大学生も。次々に物が届くが、お客さんは少ない。トモさんがレコードを買ってくれて、昨日はギリギリセーフ。

日々、入荷や買取が増えている。気が向いたら覗きにきてほしい。