2020/01/31

トークイベント「就職しないで生きるための細く険しく楽しい道」


不景気なときばかりに就職活動、転職活動をしてきました。
バブル崩壊、金融危機、リーマンショック。
頼りになるものはなにもなし。心の支えは本と音楽。
履歴書に書くことがなにもないから、読書遍歴を書きました。
そうした文系の男たちが語る、就職しないで生きるための細く険しく楽しい道。
こんなに生き方もいいんだ、と元気がでるかもしれません。
ぜひ。
−島田潤一郎(岬書店)

90年代は僕にとって、“渋谷系”の時代であり、“BAPE”の時代でもありました。
10代半ばだった僕には、そこにいる大人たちはすごく自由に見えました。
あらかじめレールから外れていたのか、そんな大人たちに知らず知らず影響を受けてレールから外れてしまったのか――。
−森田真規(なnD)

今回のイベントで話すことは、実生活では役に立たないことばかりでしょう。でも、聞いた人の励みになったらいいなあと思っています。起業、独立指南をするわけではありません。ただ、なんとなく、遊びに来てくれたら嬉しいです。
−植田浩平(PEOPLE BOOKSTORE)

就職しないで生きるための細く険しく楽しい道− 90年代の若者たちはいかにして働いてきたか」
日時 2020年2月23日(日) 17時開演
料金    1500円
出演    島田潤一郎(岬書店)、森田真規(なnD)、植田浩平(PEOPLE BOOKSTORE)
会場 千年一日珈琲焙煎所(茨城県つくば市天久保3-21-3星谷ビル1-F/G)

E-mailでのご予約 :mojomojo.people@gmail.com(担当:植田)
件名を「 2/23トーク」として、必要事項を明記の上、お申し込みください。
1.お名前(代表者のフルネームをカタカナ表記にて)
2.ご予約人数
3.お電話番号
※駐車スペースが限られていますので、公共交通機関をご利用の上、お運びください。お車でのご来場の方は近隣のコインパーキング等をご利用頂く可能性があることもご理解願います。すぐ近くにある「akippa」加盟駐車場もご利用頂けます。

「Photo Beach Combing(たのしいフォトビーチコーミング入門)」


波打ち際にはたくさんの紙片が散らばっている。沈んだ舟から打ち寄せられたもの、川に捨てられたどり着いたもの、ずっと前から海流を漂っていたもの。ここがフォトビーチだ。あなたはつめたい海水にくるぶしまで浸かりながら、忘れたことさえ思い出されない誰かの写真を拾いあげる。

篠塚祐介写真展「Photo Beach Combing」
会期 2020年2月10日(月)−16日(日)
会場 Place M(東京都新宿区新宿1−2−11 近代ビル3F)

2020/01/29

1/29 休業日誌


今日、明日は臨時休業。「仕立て屋のサーカス」出店後の後片付け、出張中にやれていなかった雑務等をこなすため、休みます。明後日30日(金)の15時から営業再開。今週末は久しぶりに並びの店がそろって営業しますので、お時間ありましたら、是非星谷ビルにお運びください。

と言うわけで、休業日誌。

サーカス公演前に立ち寄った〈IRREGULAR RHYTHM ASYLUM(IRA)〉がとても素晴らしい空間だった。書店を営む同業として言うのではなく、一人の人間としてあの場の在り方に感じいった。ちょうど展示を開催していたマドリードのパンク・アーティスト、Manuel Donadaという方の作品にも驚かされた。すごく面白い絵が飾ってあるので、興味があれば訪ねてみてほしい。IRAの書棚にちょうど、読みたかった高見順の『いやな感じ』の復刻版を見つけて、喜ぶ。そう、これはここで買う意味があるんだよね。その本を入れてくれた紙袋が超クール(SAY NO TO OLYMPICS!)なので、無理を言って余計に頂く。サーカスの出店場所に掲げてやろうと思ったからだ(掲示後の模様が上の写真)。

そして昨日、28日は出店最終日。前日に続いてのゲスト、ミロコマチコさん効果か、多くの方がご来場。ただ、不思議なのは人が多くても日によってテンションやムードが異なること。この日は前日のような大波は訪れず、小波がつづく穏やかな雰囲気。それでも本を気にしてくれて、手にとって読みふける人も多く、喜びを感じつつ接客ができた。お買い上げ頂いたり、お声をかけてくれたみなさま、本当にありがとう。

雑ですが覚え書き。また、どこかで会いましょう。

※読んだ本、買った本
色川武大『あちゃらかぱいッ』(文春文庫)
西崎雅夫編『証言集 関東大震災の直後 朝鮮人と日本人』(ちくま文庫)
高見順『いやな感じ』(共和国)

2020/01/28

1/28 出張日誌


1月27日(月)の「仕立て屋のサーカス」にゲストで迎えたのは、画家・ミロコマチコさん。これまでになかった組み合わせゆえか、ミロコさんへの注目か、今回の公演期間中では最多の動員だった。とにかく、人。人。人。知り合いが交ざる比率も高い。持ってきた古本、新刊、音源それぞれの説明をしつつ、本以外の雑事の話も多くする。楽しい。よく買ってくれる。やりがいを感じる。されど、疲れる。消耗する。昨日の日誌に書いたとおりの短距離走だ。開演前と幕間の販売を終えたときには、頭の中はぐちゃぐちゃで、しばしクールダウンが必要なほどだった。

その中で会えた人、言葉を交わせた方々、ありがとうございました。思わぬ再会もあり、自分でも驚く程にテンションが上がってしまった。慌ただしいなかでも、じっくりと本を見て、店の名前や場所を聞いてくれた人もいて嬉しかった。是非また、どこかで会えたらいいなと思う。

さて、今日はいよいよ最終日。会場に来られるならば、お声がけください。
ちなみに明日、明後日(29日(水)・30日(木))は店は休み。メンテナンスにつとめます。

2020/01/27

1/27 出張日誌


とにかく、何かを作るというのは大変なことだし、作品を見て勝手なことを言うひとは多いし、時間も、お金も、いろいろなものをムダにしたり、捨てたりしなければならない。全てを得ようとしても、うまくはいかない。(中略)それだけに、自分の知っているアーティストの作品を見たりして、素直にイイナーと思えると、あいつがあれだけやっているのなら、僕にしても、もっとガンバロウとほんの一瞬でも思うことが出来るし、負けたくないとも思う。
− 永井宏「ジェラール・ガルーストの奥さんの弟」(『マーキュリー・シティ』より)

出張先でみつけたのは、永井宏さんの『マーキュリー・シティ』。1988年に東京書籍から刊行された初版。一度、手に入れていたものを手放してしまったことを悔やんでいたので、この再会は本当に嬉しい(もちろん、かつて保持していたものではない、今回のは何とサイン入り!)。

一昨日から「仕立て屋のサーカス」の会場で本を売らせてもらっていて、つくば市の実店舗では知り合う機会が得づらい方々と話をすることが多い。のんびり人を待つのも楽しいけど、こうして出かけて(本と身体を動かして)、人に会うのも刺激的だ。店での営業が長距離走なら、出張販売は短距離走。みじかい時間で、多くの人と交感し、本を売る。ときに消耗ははげしいれど、この現場で得るものは大きい。

僕はそんなアーティストたちを仲間だと思っている。向こうはまったくそんなことは思っていないだろうけど、そんなひとたちが数多くいるから、僕は精神的に随分と助かっているのだ。

こう締めくくられる「ジェラール・ガルーストの奥さんの弟」に触れ、この四日間の出店現場について考える。毎度、懲りずに声をかけてくれて、本当に有り難い。ただし、そうであれば、一出店者であっても無自覚にその場の雰囲気に乗っかるだけではいけないだろう。自分は今、目の前にいるアーティストたちとどんな関係をつくれているのだろうか。

ぼんやりと内省しつつ、今日は三日目の出店。会場で会えたら、会いましょう。

2020/01/24

『自家中毒』


つくづく休刊記念増刊号『自家中毒』が届きました。
編集者の金井悟さんが、雑誌に求める理想の形を徹底的に追求して生まれた実験誌『つくづく』。話題にならないことが話題の雑誌、その自作自演のPR誌として編まれたの本誌『自家中毒』です。こんな風に紹介すると、編集者の悪ふざけと受け取られるかもしれませんが、この冊子はマジで良くできています。本体『つくづく』も面白いので、この機会に是非お手にとりください。

単体での販売価格は330円(税込)。在庫分の『つくづく』をお買い上げで、一冊差し上げます。

『ブードゥーラウンジ』


鹿子裕文『ブードゥーラウンジ』が届きました。
ぶっ飛ばせ、貧老! 未来はそんなに暗くない。ってな惹句通りのパワーがあった『へろへろ』から5年、発売延期を経て、ようやく鹿子裕文さんの新著が登場。舞台はライブハウス〈ブードゥーラウンジ〉、はみ出し者たちの物語。血湧き肉躍る、ノンフィクション・エンターテイメント!(と、帯にあるまま書き写しました)。字と熱がパンパンに詰まった447ページ、読み出せばあっという間でしょう。

販売価格は1980円(税込)。装画・挿画を手がけたのは奥村門土(モンドくん)。

2020/01/23

1/23 店日誌


1月21日、火曜日。なんと累計1300冊(1/21時点)を売り上げたという『クソみたいな世界を生き抜くためのパンク的読書(通称:クソパン)』の著者であり発行人、小野寺伝助さんがご来店。追加注文分を直接納品してくれる。すでに四刷。なんたって面白いから仕方ない。今年、これからの「地下BOOKS」での活動予定、願望や希望など聞く。小野寺さん、気持ち良く相槌を打ってくれるので(打てば響く!)、ついつい話しすぎる。長々と引き止めてしまい、少し反省。

1月22日、水曜日。なぜか賑わった昨日から一転、しずか、しずか。開き直って本を読む。小野寺さんとも話題になった、ジェームズ・C・スコット『実践 日々のアナキズム』(岩波書店)を一気に読む。書かれていることすべてではないけれど、断片的に共感する部分、個人的に重要な示唆もある。断章を連ねる構成なので、これも著者のスコットのねらい通りに読まされた、ということかなと思う。

読み終えたところで、エスプラ君がご来店。もちろんビールを持ってきてくれる。サッポロ黒ラベルをのみつつ、3月に企画していること、今後の動向などお互いに確認する。とりあえず、3月に二人で関わる催事は三つ。3月8日(日)に小西康陽さんを招くパーティー(マジでダンスパーティー!)、22日(日)はハマの盟友『EL CINNAMONS』との共催、ピープルズ・パーク(これまでにないパーティー!)。その翌週、29日(日)には〈つくば食堂 花〉でのライブ制作のお手伝い。どれも良く練られた企画なので、是非遊びに来てほしい!

1月23日、木曜日。ただいま営業中。

※読んだ本、買った本
ジェームズ・C・スコット『実践 日々のアナキズム−世界に抗う土着の秩序の作り方』(岩波書店)
竹中労・貝原浩『FOR BEGINNERS 大杉栄』(現代書館)
ECD『ECDIARY』(Ready made)

1/21 店日誌


マノ・ネグラの1994年作『CASA BABYLON(バビロンの家)』に封入されているライナーノーツ(書き手は、黒沢みこ)を読んでいて、「マノ・ネグラ」と「仕立て屋のサーカス」との近似性に気がついた。「その場に応じて柔軟、かつ臨機応変にプレイする」という主義を持っていたり、「キューバのように500人の所もあればメキシコでは7、8000人の観客を前に」するなど会場選びにこだわりがある点(逆か?)など、この二つの集団に共通することは多いと思う。

「マノ・ネグラは、いつでも変化してる。同じ所にずっと、とどまっているようなバンドじゃないんだ。ただ、その変化の方向性は当の本人の俺達でさえわからない。だから面白いんだけど」と語るのはマノ・ネグラのリーダー、マヌ・チャオ。これはまるで、仕立て屋のサーカスの中心人物、曽我大穂さんが日頃話していること、そのままじゃないか。ただ一点、付け加えるなら、仕立て屋のサーカスは今、どう変化するかに苦心している。次にどう動くか、自分たち自身で決めあぐねているように感じてしまうこともある。

「南米のように、すべてがまだゴッタ煮の大陸にいたら、俺達だってきっと変わっていくと思う。逆に、その半年後に何も変わってなかったら、俺達は何も見なかったし何も学ばなかったということになっちまう」とは、1992年の3月から7月までの約4ヶ月に渡る南米ツアー(移動はなんと大きな船!)に出る前のマヌの弁。昨年11月にフランス、スペインを巡った欧州公演から舞い戻った仕立て屋のサーカス。彼らの次なる変化がどう具現するのか、これを書いている今、とても気になっている。まさか、何も見なかったし何も学ばなかったということになっちまう、なんて事はないだろう。

仕立て屋のサーカス 東京公演は今週末の土曜日、25日からスタート。現状、完売の日もあるようだけれど、まだ席に余裕のある日もあるとのこと。予約完売の場合でも、ほぼ間違いなく当日券も出ると思うので、どうにかして会場まで足を運んでほしい。詳しくは彼らのホームページツイッターなど各種SNSでご確認を。

ちなみに『CASA BABYLON』はとても良い作品。曲間の音遊びが面白いし、カッコ良い。コラージュ的な仕掛けが多く、アルバム通して楽しめる。あっという間の54分。このバンドは、テンションの上げ下げ、火加減の調節が上手いんだな。

ここ最近の入荷から、いくつか。


※※※本を買い取ります!※※※
PEOPLE BOOKSTOREでは本の買取を行っています。ご不要になった本、大切だけれど置き場所がない・・・という蔵書がありましたら、お気軽にお声かけください。お問い合わせはメールでもご来店時でも構いません。お持ち頂いた本は出来るかぎり早く査定します。

2020/01/19

「REVERSE」


「REVERSE」
日時 2020年2月29日(土)
料金    前売2500円/学生2000円(+ドリンクオーダー)
出演    漢 a.k.a GAMI,GATTEM a.k.a LORD 8ERZ,KNIC,YASAGURE × MIE,ALPHA...&more!
会場 Club OctBaSS/DISCOS(茨城県つくば市天久保1−5−4)

2020/01/17

「GRIND HOUSE」のチケット発売中!


1月26日(日)開催! 「GRIND HOUSE」のチケットを販売しています!
会場となる〈club OctBaSS/bar DISCOS〉の7周年に際して行われるパーティーに出演するのは、田我流、DJサモハンキンポー、MAHBIE、tactsato、田中光、SPRA、ATEBOI、KRAITなど。17時からはじまるので、夜のクラブイベントに慣れていなくても遊びやすいと思います。

当日券4000円のところ、前売券は3000円。学生証ご持参で2500円。お得なチケットを是非、お買い求めください。

2020/01/16

『NOTHING』


JUN YABUKI『NOTHING』を販売しています。
栃木県在住のイラストレーター、矢吹純がJUN YABUKI名義で2017年に発表した作品集。裏紙の質感を活かした印刷、絶妙なレイアウト、デザインは韓国の事務所「object」によるもの。今後、この冊子が矢吹純の初期作品集として重要になっていけば、面白いなあと思います。

販売価格は1500円(税込)。通信販売ご希望の方は〈HOOK BOOKS〉をご利用ください。

『popeye』874号


紹介が遅くなりましたが、『popeye』最新号に矢吹純の絵が使われています。
今号の特集は「スタイル・サンプル」。その特集扉のページに矢吹君の絵が載っています。次号の発売は2月7日(金)らしいので、その前日までは全国各地のコンビニ、書店で彼の絵が見られるってこと! どこかで見かけたら、是非お手にとりください。

ああ、でも! 欲を言えば表紙につかってほしかった!

タカツキ宇宙実験棟体験記④

実験棟近くの風景。朝の光がきれい。

叡電の宝ヶ池駅。12日はここの真横を女子駅伝が走っていった。

1月12日、仕立て屋のサーカスの京都公演最終日。この日だけ開場15時半、開演17時と早めの設定。13時半頃に会場入り。メンバー、スタッフふくめリラックスムード。ちょこちょこと準備をし、話をしたりするうちに開場時間に。この日は子供連れが多い。本への反応は、悪くはないけど、これまでに比べると、静かな印象。幕間、終演後も同様で三日間では最少の売り上げだった。

終演後、片付けもそこそこに打ち上げへ。八幡前駅近くの居酒屋、いたって普通で好印象。瓶ビールが3種類から選べるのが嬉しい。近くに座ったスタッフさんたち、曽我大穂さんとしゃべる、しゃべる。のむ、のむ、のむ。この晩は本当によく呑んだ。数少ない現役の精華大生、フジタ君が教えてくれた出町柳の居酒屋〈村屋〉に次は行こうと誓う。そうこうするうち、叡電の終電を逃していることが発覚。少し焦るも、徒歩30分以内とわかり、歩くことにする。

メンバーの多くはタクシーに乗る。帰り道の案内を引き受けてくれたフジタ君、スリッパことタナカ君と一緒に歩き出す。途中のコンビニで二人にビール、自分は愛用しているウコンの力(レバープラス)を買う。そんなん効くんですかーっとスリッパに笑われながら、少し歩くと別れ道。「橋を渡って右に行ってください! そうすれば着きます!」というフジタ君の言葉の通り歩いていくと、道中はすごく静か。真っ暗。不安になりながらも歩いていくと、馴染みのコンビニの光が見えて一気に安心する。その日はそのまま、実験棟の寝床へ沈み込む。一度、小用に起きたのち、少し寒さを感じるも寝つづける。

また、実験棟に朝が来る。軽く二日酔い。起きたり、寝たりを繰り返して、歩いてコンビニへ。用を足してコーヒーを買う。実験棟でしばしボンヤリ。タカツキさんに挨拶しようと連絡すると、この日は仕事とのこと。会いたかったが仕方ない。電話でお礼を告げて、出発の準備を整える。駅までの道中、川の写真を撮ったり、コンビニでおにぎりを買ったり。駅前の日の当たるベンチでおにぎりを食べていたら、「植田く〜ん」という声。えっと顔を上げるとタカツキさん! これは嬉しかった。この三日間で得た感慨を伝える。同じ電車に乗り、途中で別れる。タカツキさんとは遠くないうちにきっと、また会えるだろうな。そう思いつつ乗り換えて、京都精華大学に到着。

会場は真っ暗。まだ、誰も着ていなかった。そりゃそうだ、みんな疲れてるだろうと納得する。とは言え自分に時間はない。早々に片付けをはじめる。そのうち、ポツポツと人が来る。昨夜の恩人、フジタ君にも挨拶。スタッフのテッシー、メンバーのスズキタカユキさんと話したりするうち、時間切れ。撤収作業を続けるみんなに別れを告げて、叡山電車に乗る。ぼんやりと眠い。その後、二回乗り換えて新幹線に。二日酔いもあって、珍しくビール抜き。コーヒーとドーナツで昼食も済ます。

本を読み、眠り、車窓をながめる。それらを繰り返すうちにどんどん東京が近づく。気づけば、三島。熱海。小田原。なんてうちに、東京。八重洲口で高速バスに乗り換えて、缶ビール。本を読むうち、つくば駅。腹が減っていたので、行きつけの中華屋へ飛びこむ。待ちに待った餃子、炒飯、瓶ビール。ああ、帰ってきた。

ここで、1月13日の夜。

※読んだ本、買った本
吉村昭『わたしの流儀』(新潮文庫)
古山高麗雄『編集者冥利の生活』(中公文庫)
平民金子『ごろごろ、神戸』(ぴあ)

2020/01/15

タカツキ宇宙実験棟体験記③

タカツキさん手書きの案内図。ちょっとした絵がやさしい。

1月11日の朝、実験棟でゴンチチのラジオを聴きながら身支度を整えて、外に出た。今日は少し街を歩いてみよう。せっかくだから一日乗車券を買って、叡電沿の街を歩くのも楽しいだろう。そう思って、最寄駅まで歩き出す。天気良し。電車に乗って修学院の駅まで行き、そこで叡山電車の一日乗車券「ええきっぷ」を買う。ちょっと歩いて、郵便局、薬局に立ち寄りつつ、とことこ進む。そのうち着いた、一乗寺。時間は10時ちょっと過ぎ。ちょうど書店が開いたところだ。

その後、お昼近くは八幡前。目当ての本屋近くに日本一メニューの多い(らしい)〈王将〉を発見するも混んでいて入れず。ま、いいかと歩いてみたら、着いた駅は岩倉だった。電車に乗って、また一乗寺。ビールと餃子をやっつけてから古本屋。こういうのが楽しい。大袈裟なことじゃないけれど、自分の住む街、つくばだとこれが出来ない。再度、叡電に乗って精華大に向かう。

仕立て屋のサーカス、京都公演の二日目。お客さんは昨日に続き、本への関心が高い。持っていたレコードやCDへの反応も良く、話が弾み、よく笑った。公演自体も良い出来で、久々に新しい局面を見た気がした。終演後は、サーカスメンバーのみんなと一緒にわいわい帰り、軽く呑んで飯を食べ、繁華街の某所で就寝。ここでやっと風呂に入れた。

12日の朝、9時ごろに宿を発ち歩き出す。昨夜も驚いたが、ここ(四条、三条付近)は叡電沿いとは別世界。東京でいえば銀座のような雰囲気の道を歩く、歩く。店ばかり。人ばかり。これはこれで楽しい。刺激を受ける。喫茶店で休憩したのち丸太町の書店に行ってご挨拶。この辺りの路地に入ると人は少なく、息もつける。隣のお店で昼食をとって、出町柳で乗り換えて、また叡電。一旦実験棟に荷を下ろすと、一安心。すごく落ち着く。ごろんと横になってしまえば寝てしまいそうなので、ちょっと休んで、出かけることにする。最終日のサーカスは開演時間が早いのだ。

ここで、12日の午後までたどり着いた。

2020/01/14

タカツキ宇宙実験棟体験記②

 寝床のソファーと寝袋。くもる窓がちょうど良い。

実験棟のフェンダーローズ。

この場を守護するのはセロニアス・モンク。

1月10日の金曜日。仕立て屋のサーカス・京都公演が行われる〈京都精華大学〉までタカツキさんが車で送ってくれて、とても助かった。遠く見える山並みに夕暮れが映える。大学のまわりには店は何もない。あるのは、食堂のそばにあるコンビニだけ。これはこれで、慣れてしまえばいいのかな。学内を散策したり、学外のカフェで麦酒をのんだりするうちに、開場時間。お客さんが入ってくる。本に興味持ってくれる人が多い。説明をせずとも自主的に手に取り、ページをめくって気に入れば買ってくれる。本屋として、これはとても嬉しい。

急遽遅くなった開演を経て、休憩を挟んで終演。片付けも終えた。その頃は、頭の中は実験棟のことでいっぱいだった。ストーブはつくのか。夜間の周辺はどんな様子なのか。そもそも、あそこで寝て大丈夫なのか。そんな心配をしつつ叡山電車を乗り継ぎ帰路につく。コンビニでビールを買おうか迷ったけれど、小用のことが少々不安なので、着火用の道具だけを買って帰る。あっけなくストーブ点火。ぼわーっと暖かくなる。でも寒い。パーカーを着て、ダウンジャケットも身につける。その上に寝袋、持参したブランケットを重ねてみるとちょうど良い。何とかなりそうだ思い、ラジオ深夜便を聞いているうちに眠っていた。

無事に目が覚めたらいいな。そう念じながら目をつむったのだけど、あっさりと朝がきた。よかった。近くのコンビニに用をたしにいき、コーヒーを買う。お店の方々もいい感じ。やさしさに触れ、さらに安心。実験棟に戻り、落ち着いたところで改めて横になる。このときに聴いた「ウィークエンド・サンシャイン」が素晴らしかった。ほんのりと差す日差し。半分眠ったような状態で耳にするバラカンさんの声。身体をやさしくマッサージされているような感覚をおぼえた。

番組後半に流れた、女性が歌うトム・ウェイツの「Ol’55」。ザ・バンドのロビー・ロバートソンのソロ楽曲。これらを聴いているとき、なぜか映画『イントゥ・ザ・ワイルド』の主人公のことを思い出していた。彼は昇天するとき、どんな気持ちだったんだろうかと考えていた。

ここまで、1月11日の朝の話。

2020/01/13

タカツキ宇宙実験棟体験記①

座礁した船を思わせる外観。トレーラーハウスです。

1月10、11、12日の三日間、京都精華大学内の友愛館〈Agora〉舞台にした「仕立て屋のサーカス 京都公演〈帰郷〉」に出店してきました。催しのレポートは他に譲って、ここではその間の宿泊所になった〈タカツキ宇宙実験棟〉の体験記を綴っておこうと思います。

京都市左京区某所、観光客でにぎやかなエリアから離れた場所の駐車場。そこの一角、車一台分のスペースに鎮座するのが〈タカツキ宇宙実験棟〉。現場に着いて自分は一目、ギョッとしました。「え、これ? 大丈夫?」という驚き。でも、穏やかな実験家・タカツキさんに案内されると「ま、どうにかなるか」と思ってしまうのがすごい(こわい)。ストーブも寝袋も用意してくれた。灯油もたっぷり。あとはこちらの心次第。楽しんじゃえば、いいじゃないか。そう唱えると、どうにかなるような気がしてしまうから面白い。そのスイッチを入れてくれたタカツキさんには感謝しています。

とは言え、昼はいいけど、夜は冷えるし真っ暗だろうなあ、とビビりながらも説明を聞き、世間話をして、仕立て屋のサーカスの会場、京都精華大学に向かいました。まずはこれ、1月10日の真昼間の話です。

2020/01/09

「仕立て屋のサーカス 京都公演〈帰郷〉」

写真:三田村亮

いよいよ明日、10日(金)から「仕立て屋のサーカス 京都公演〈帰郷〉」が始まります。
会期は10(金)、11(土)、12(日)の三日間。現状、12日が満席。11日は完売間近。初日の10日のお席に余裕があるようです。一般前売3500円、学生前売2500円と、それぞれ当日券よりも800円割安なので、興味持ってくれたのなら、早めのお申し込みをおすすめします。

当店は三日間、全公演に出店します! たっぷりの本、各種音源持っていきますよ。

仕立て屋のサーカス 京都公演〈帰郷〉」
会期 2020年1月10(金)、11(土)、12日(日)
料金    一般3500円/学生2500円※18歳以下無料
会場 京都精華大学友愛館 Agora (京都府京都市左京区岩倉木野町137)

『美しい街』


尾形亀之助『美しい街』が再入荷しました。
島田潤一郎さんが営む出版社「夏葉社」から2017年2月に刊行された小さな詩集は尾形亀之助の全詩作から精選された55編と、早逝した画家・松本俊介が描いたスケッチとで構成されたもの。決して大袈裟でない言葉と線画なのですが、ページをめくるうちに波たつ心を静めてくれるような気がします。

販売価格は1760円(税込)。夏葉社刊行の書籍、他にも色々在庫しています。

2020/01/07

酒にまつわる本、いくつか。


※※※本を買い取ります!※※※
PEOPLE BOOKSTOREでは本の買取を行っています。ご不要になった本、大切だけれど置き場所がない・・・という蔵書がありましたら、お気軽にお声かけください。お問い合わせはメールでもご来店時でも構いません。お持ち頂いた本は出来るかぎり早く査定します。

2020/01/06

今週の営業予定(1/6−13)


はじまりました。2020年。
今年は遠くに出かけることが多くなるような気がします。臨時休業、短縮営業になる場合は出来るだけ早くお知らせできるようにしますので、このブログ、ツイッターでご確認ください。ひとまず今週から来週頭の営業予定を以下に記します。

6日(月)定休日
7日(火)15:00−20:00 短縮営業
8日(水)15:00−20:00 短縮営業
9日(木)15:00−19:00 短縮営業
10日(金)仕立て屋のサーカス 出店
11日(土)仕立て屋のサーカス 出店
12日(日)仕立て屋のサーカス 出店
13日(月・祝)終日休業

2020/01/05

「111」


「111」
日時 2020年1月11日(土) 21時開演
料金    当日2000円/学生1000円(+ドリンクオーダー)
出演    BUSHMIND,preparationset,Eastern P,NAT000,MADARAH,SB10,KAWASHIMAmore!
会場 Club OctBaSS/DISCOS(茨城県つくば市天久保1−5−4)

『My Landscape』


池間由布子『My Landscape』が届きました。
このジャケット見て、もう決まり。そんな風に言うのはあまりに雑だと思われそうですが、実際のところそうなのだから仕方がない(ちなみに言えば裏ジャケも完璧)。「とんかつ」にはじまる全10曲。それぞれに粒が立っていて、聴くほどに味が増していくような気がします。みなさんにも是非、聴いて頂きたい。

販売価格は2200円(税込)。ジャケット写真は、表裏ともに前澤秀登氏によるもの。

『アナキズム文献センター通信』51号


『アナキズム文献センター通信』51号が届きました。
今号の一面はこの通信のリニューアルと新たなアナキズム情報誌創刊のお知らせ。隔月刊(年6冊)から季刊(年4冊)への移行、この夏から開始予定の出版プロジェクト「CIRA−BOOKS」の予告が主。その他、骨のある読みものが並んでいます。店頭で配布していますので、ぜひお手に取りください。

エマ・ゴールドマンがテーマになった「アナキズム・カレンダー2020」もあとわずか、在庫しています!

2020/01/04

『りぶろ・れびゅう』


人文系私設図書館〈ルチャ・リブロ〉編『りぶろ・れびゅう』が届きました。
ルチャ・リブロにある本と、その場にゆかりのある人たちを同時に紹介してしまおう! という趣旨で編まれた冊子。なるほど、青木真兵・海青子夫妻を含む10人の書き手が評する21冊、20の記事を読めば、彼らがやろうとしていることが、よく分かります。自分たちに今、欲されている本をつくる、その身体感覚に感心しました。

販売価格は825円(税込)。かつての同人誌のような風体、ZINEというより文集だと思います。

「MARCH OF THE OUT SIDE(絵+音楽)」


「MARCH OF THE OUT SIDE(絵+音楽)」
日時 2020年1月18日(土) 16時半開演
料金    1500円(+ドリンクオーダー)
出演    河合浩(絵)+大宮麻比古(音楽)
会場 O’keeffe(茨城県日立市相賀町5−13)

ここ最近の入荷から、いくつか。


※※※本を買い取ります!※※※
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「自分の仕事」


「自分の仕事」

自分の仕事を見失ってはならない。
どんな暗い夜がこようとも
暗闇のなかで目ざめていると
静かにわたしの仕事が話しかける。
のとき、それはわたしを勇気づける。
歩きつかれて
ふいに初めをふりかえるとき、
小さなむかしのわたしが住んでいて、
やさしく、こみあげるものを教えてくれる。
美しいものは人目につかず、
すべてはまずしく小さい。
わたしはいつも内側をふりむこう。
そこから自分の仕事にいそしもう。
どんなに幼くとも
つねに中身だけのところから出発しよう。

−『菅原克己全詩集』(西田書店)より

年始にめぐりあったのは、あたたかくぬくもりのある本だった。
その320ページに置かれていたのが、「自分の仕事」(1975年刊行の『叔父さんの魔法』収録)。色々と考えること、考えさせられることの多かった年末年始だったから、一読して感じ入った。信頼する誰かに背中をポンとたたかれたような感覚を覚えた。大丈夫。いま、進めべき道を歩みなさい。そう励まされたのか、すっと気持ちが楽になった。

まさかの2020年。今年も本屋として、生きていく。人間らしく、生きていく。