2024/08/08

8/8 店日誌

 「好き嫌い」だけで押し通しているのに、そこらの社会時評より数段面白く説得力がある。そこが凄い。それから何よりも、文章の間から書いている当人の精神の躍動感やら解放感やらがひしひしと伝わって来る。文章の向こうに、モリ・マリという妙なイキモノが思うぞんぶんにはね回っているのが、見えて来る。そこが面白い。(中野翠)

8月8日、木曜日。ああ、面白い! 中野翠『アメーバのように。私の本棚』につよく共感して畏れ入る。こんなにも正直で、鋭く、まったく難しくない言葉を連ねる中野翠さんはカッコいい。「好き嫌い、つまりは〈感性〉というものだけで何か書けるものかどうか、どれだけのものが書けるか」という実践を経て得た実感が綴られたこの本に勇気づけられる。右見て左見て、もう一度、右見てから発せられる、つまらない意見ばかりが耳に入るからだろうか。

なにしろ長谷川四郎といや、知的風来坊の権化で、いろんなことを知ってるばかりか、ロルカを訳したり、ブレヒトを訳したり、その他なんでも気に入っちゃえば翻訳しちゃうという、いうなれば翻訳の怪物で、「いやあ、きみ、スペイン語が分ったら、ロルカなんか訳せんヨ。アッハッハッハ」と豪快に笑い飛ばすヒトだった。(青山南)

常連のYさんが持ってきてくれた買取の2袋が素晴らしくて、よろこんだ。なんとなく手に取った青山南の本に「長谷川四郎の教え」というページを見つけたり、常盤新平、吉田篤弘、堀江敏幸の本が入っていたり。お盆の連休に向けて、文句なしの仕入れをさせてもらった(最初にかいた中野翠の本もおなじくだ)。

来週8月13日(火)は定休日だけれど営業する(13時から19時まで)。連休の動きに大きな期待はせず、まあやることもないから店を開けるかという感じ。気張らずにやれたらいい。

今日明日は15時から20時まで、開けてます。お暇があればご来店を。

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