長生きも繁昌しているし、交通事故も繁昌だし、旅行も繁昌、海も繁昌、山も繁昌、弱いものいじめも繁昌、色事も繁昌(…)、宗教も繁昌、右も繁昌、左も繁昌、こうなると家にすっこんでおるより仕方がない。繁昌しとらんのは家の中だけだ。(「竹林に藁屋あり」)
11月16日、木曜日。週はじめに新刊書店で買ってきた富士正晴/荻原魚雷(編)『不参加ぐらし』に夢中である。手に取ってすぐ上記した短文にぶつかって、ワオ富士正晴、サイコー! とぐいぐい読んでいる。身近で置き換えれば、筑波山の繁昌っぷりがすごい。この時期、駅から山に向かうバスはギュウギュウ、すし詰め。山頂付近も商売用のスポットが増えているらしい。そんな状況を見聞きするほど、行きたくなくなる。
絵や写真の題材に、山を選ぶ人が増えている。文句を付ける立場でないのは分かっているが、ちょっと多過ぎじゃないだろうか。あちこちで山、山、山。コーヒーと本との相性もいい。なんなら音楽的ですらある。こう考えると、山はすごいな。実際、山の本は魅力的だ。独特の静けさがあって、詩的でもあり、哲学を語れなくもない。うーん、すごい。
話をもどして、不参加ぐらし。現代にあってこの表題がはらむ意味を考えると、面白い。誰でも参加、誰でも焼き菓子、珈琲焙煎、誰でも本屋(俺もだ)。なんでもかんでも参加するのが良しとする風潮を素直に受容できない自分は意地が悪いのか。
今日も書籍に入荷あり! お暇があれば、ご来店を。
※ちなみに、この本『不参加ぐらし』は当店では売っていません。近隣にある新刊書店でお求めを。中公文庫の新刊コーナーを見れば、置いてあるのがみつかるはず。
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