2023/04/12

4/12 店日誌

4月12日、水曜日。田中小実昌『イザベラね』を読み終えた。が、この小説に書かれた内容はかんたんに説明できない。著者自身と思われるぼく、いつもはすぐ電話に出る大内先生が発した「イザベラ、イザベラね……」という言葉。そこから不思議な話が連なっていく。先生と俳優、劇作家と廻ったストリップ劇場での出来事、遭遇した人の逸話とぼくがひとり考える哲学的事象が並列される。

世間では、実際はどうか、なんて考えないのだ。これは世間がバカでいいかげんであると同時に、世間はかしこいのかもしれない。実際というのは、実際という言葉だけがあって、もともと、実体などはない、と世間は知ってるのか。

考えることと書くことの距離。言葉と文字の違い。誰もが当たり前に受け入れ通り過ぎていることに、首をかしげた人がいた。ちょいちょい意味を掴めず、確かな手応えもないままだったが、こころよい読書だった。

今日も、万全とはいえない体調。状況によっては早仕舞いもあり得ます。

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