2022/01/26

1/26 店日誌

読み終わったあとに、読者が本を捨てても良い、とにかく読み終わるまでは頁がうすくなるのを惜しむような作品を書きたいと思っていた。–生島治郎

1月26日、水曜日。生島治郎『星になれるか』を読む。回想録的な群像劇『浪漫疾風録』の続編。1950–60年代のミステリ作家、編集部や出版社のようす、時代のざわめきを活写した『浪漫〜』にくらべて、下世話な印象。とくに「バンコク有情」と「ドリアンの謎」。吉行淳之介と長部日出雄とのタイ旅行、猥雑な体験記は読み飛ばすのにうってつけ。

直木賞受賞後の後半、作家にかかる重圧ゆえの睡眠薬中毒、家庭の崩壊。深刻なテーマではあれ、自己中心的な気配がぬぐえずやや興醒め。最終的にも出自の話にむりやり着地させた気がしてしまった。

今日、明日、明後日は15時開店。のんびりとやってます。

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