2016/10/05

『FEIGEN FEIGEN』LÉONORE BOULANGER



“彼女がときとして外国語で歌うのは、コントロールできない言葉を発して、
曲に異和感をもたせるためだ。
そしてその感覚はフランス語にもある。
「歌詞を意味から解放して、音として捉えなおしたい。
言葉が語法から離れたとき、声は器楽性を取り戻す。
すると歌の芯がふくらみ、祈りや愛撫や雷やグロソラリアになる」
と、彼女は語る。
グロソラリア(異言)とは宗教用語で、精霊が使徒たちに授けた、
各国の人々に理解されるように話す能力であり、恍惚状態で発せられる言葉だ。”
-プジョー友子

LEONORE BOULANGER(レオノール・ブーランジェ)の『FEIGEN FEIGEN』が入荷しました。
今作は“現代のサラヴァ・レコード”と形容されるフランスのレーベル「ル・ソール」からのリリース。ボクにはどうにも言葉にしがたい音像なのですが、耳心地は上々ですし聴くたびにちがう発想が浮かぶような気がします。それもそのはず、レオノールはパリで演劇、実験的な即興音楽、ペルシャ音楽なんかを学んでいたとのこと。先入観をもたずにぽーんとこのアルバムに飛び込んでみてもらえれば、きっと発見があるでしょう。

より詳しい作品解説は日本での販売元「windbell」のブログをご覧下さい。ここにも少しだけ、転載します。

***



このアルバムは彼女にとって三作目となるアルバムで驚くべき飛躍を遂げています。

パリとベルリンを行き来し、鍛冶職人の工場で録音されたというこのアルバムの音像は
コンピューターを基点とする過剰なポストプロダクションの沼に陥っていない、
無理のない自然さ、しなやかさ、生々しさに溢れています。
その音楽は多様な要素を調合した複合的なものでありつつ、大変素朴で摩訶不思議ですらあります。

アルバムを彩るアートワークは約四十年前にエストニアの画家、Vello Vinn によって描かれたもの。
この画が想起させる奇妙なフェアリーテール、夏の日と冬の夜を行ったり来たりする蜃気楼の先に見える
幻影を音で映写するような、マジックリアリズム感が拡がります。

LÉONORE BOULANGER    
FEIGEN FEIGEN  
レオノール・ブーランジェ「ファイゲン・ファイゲン」

01. BLUETTE  軽やかな物語
02. TORNADE  旋風
03. TOURNER  回転
04. LE SIGNAL  信号
05. MON TOUT  私の全体
06. LES QUESTIONS 問いかけ
07. MINUIT  真夜中
08. TOQUADE 熱中
09. SHIVA GRIS  灰色のシヴァ像
10. BLAUES 青
11. LONG FREDON  長いリフレイン
12. GRIMPER よじ登る


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